国語の文法の学習

「国語の文法が苦手」という子は、そのほとんどは「知識が身についていない」ことが原因です。

 

この時期中学1年生は、文・文節と単語や、主語と述語などの関係を、中学2年生は自立語と付属語、活用しない品詞について勉強しています。

 

ですが「文法が分からない」と言ってくる生徒のほとんどが、一番初めの、文を単語に区切ることからできていません。中1の学習の段階でつまづいています。しかし、これはある意味仕方のないことかも知れません。

 

なぜなら、中1で習う文法の授業では、ひとつひとつの品詞の知識を教えないので、きちんと理解して「単語に区切る」ことができないからです。例えば、『私は英語を勉強しました』という文を、『私/は/英語/を/勉強し/まし/た』と区切るためには、助詞・助動詞や活用も含めた各品詞の知識が必要です。

 

つまり、学校では品詞の知識が無くては理解できないような内容を品詞の知識なしで教えなくてはいけないという矛盾を抱えて授業が進んでいるのです。学校の先生も大変です。1年生の子に、上の文を「なんでそのように区切れるのですか?」と質問された場合、「2年生で習うけど、そういうものなんだよ」とお茶を濁すか、全ての知識を教えて説明するかしかないですからね。高校の英語では、先に品詞の説明をすべて終えてから英文の精読に入り、英文を区切って理解するカリキュラムが組まれることが一般的です。中学国語の文法もそのような順番で教えれば矛盾はないのでしょうが、今度は中学1年生に品詞の知識を教えることになり、それはそれで負担が大きくなってしまうのかも知れませんね。

 

そんなわけで、カリキュラムの狭間で大量生産される「文法の苦手意識」ですが、そんな子には「先まで教えてしまう」という方法をとってみています。中学2年生には、まず品詞分類表の暗記を、中学3年生には夏休みに文法の全範囲を教えてしまいました。どちらもまだ学校では習っていない内容ですが、少し先取りしただけで全体像が見渡しやすくなり、膨大に思えていた文法の知識も、「こんなもんか」と思えるようになります。ですから、ちょっとだけ頑張ってもらって先取りすれば、苦手意識はだいぶ軽減できるはずです。実際、そのように指導した子たちの「文法アレルギー」は、だいぶ薄れてきたように感じます。あとは練習あるのみ(^^♪ 次の中間テストでは文法も出題範囲のはずなので、しっかり勉強していきましょう!