礼儀と学力

私自身、礼儀のなっていない人間なのでとやかく言える立場にないのですが(^_^;) 生徒たちを見ていて、「礼儀作法と学力って相関関係にあるな」と感じることがあります。

 

『挨拶を率先してできる』

自分から挨拶をできることは「コミュニケーション能力」という意味で、学力と関係しているような気がします。声の大きさはあまり関係がないような気がしますが、挨拶をしない子で学力が高い子を見たことがありません。逆に、学力が高かったり、伸びつつある生徒は自ら挨拶をする子がほとんどです。

 

生徒たちが教室に入ってくるときに私から挨拶をすると、たいていは返ってきますが、たまに生徒の方からの挨拶を待ってみると、「おや?」という感じでこちらを見てくる子が結構います。挨拶を返すことに慣れてしまっていて、自らはできていないんですね。そういう子は、もう1歩かなぁなんて思ったります。(しかし、「挨拶をしよう」という指導は学力と関係が無くなってしまう気がしてちょっと違うなぁとも思うので、あまりに酷い場合以外は生徒が変わるのを待っていたりもします。)

 

『机の片づけができる』

これは、私が以前勤めていた塾で、講師の採用試験をするときに注視していたことです。講師の応募をしてきた学生が採用試験を受けたあと、机の上の消しごむのカスをきちんとまとめて捨てるかどうか・イスをちゃんと戻して帰るかどうかを見ていました。細かい気遣いができないと、生徒の立場に立って指導もできないと考えていたからです。実は採用試験の点数よりも気にしていました(笑)。消しごむカスをそのままにして帰る人もいれば、机の下にパッパと払っていく人もいました(^_^;) しかし、近くにゴミ箱が無くて、自分のポケットに消しごむカスを入れて持ち帰った学生は、その後塾の主力級講師になりました。

 

この、細かい気遣いのようなものが生徒たちの学力にも関係すると思います。きちんと次の人のために机を片付け、イスを戻して帰る子は先を見越した行動、「~のために」という学習もできるようになっています。今、「すごいな」と感じるのは、中3受験生たちが、私が何も言わないのに帰りに教室の机を全て拭いてから帰るようになったことです。去年の先輩がやっていたことを見ていたのでしょうね(^^♪ そして最近では1年生のSちゃんも帰りに先輩たちに交じって机を拭いています。こうして塾での習慣や雰囲気は作られていくのでしょうね。

 

『「ありがとうございます」「すいません」が言える』

人から何かをされたときに「ありがとう」、何かをさせてしまったときに「すいません」が言えることも学力に関係がある気がします。この場合の「すいません」は、悪いことをして反省の弁を述べるときの「すいません」とはちょっと違います。相手の行動に対して出る感謝の言葉という意味です。

 

これは、誰かが自分のためにしてくれたことに対し、「価値」を感じることができるかどうかというところに繋がっていると思います。何かをしてもらって、「ありがとう」や「すいません」をすぐに言葉にできるのは、そこに何かを感じるからだと思います。全ての行動に意味を感じられれば、勉強にも価値を見出せるはずです。周りの人、特に親の行為に感謝の気持ちを感じることで、自分の行動を自分勝手なものにはできないという責任感が芽吹くのだと思います。そもそも「塾に通う」というのはとても贅沢なことですからね。少し話がそれましたが、感謝の言葉を口にできるというのは人間的にも素敵です。

 

生徒たちが塾に1冊しかない問題集を回しながら使っているときに、「ありがとー。」や「ごめん、今使ってる~。」なんて言い合いながら仲良く貸し借りをしているのを聞くのは気分がいいです。私にとって、ちょっとしたご褒美だったりします(^^♪

 

『礼儀と学力』

礼儀と学力に明確な相関関係があるかはわかりませんが、分かることは、成績の良い子は礼儀もしっかりしているということですね。礼儀と学力。「学習」という意味では、躾と深くかかわっているということなんだと思います。