暗記と思考

暗記より思考のほうがもてはやされている昨今ですが、暗記の効果を知っている生徒は強いです。特に定期テストは、まず学校のワークを何周も解いてしっかり暗記することが大切だと思います。

 

もちろん答えをそのまま暗記するのではなく、答えに至る解法を暗記する。社会のような暗記の比重の高い科目でも、その背景や出来事の流れを暗記する。この場合の暗記は、「理解」と言い換えられると思いますが、やはり成績の良い子は、理解した上でその答えが脳に染みついており、問題を解くときにその解答を出すことで悩まず、瞬間的に出てきます。

 

学校の制服を着る時に、入学したての頃は手間取っていたと思いますが、今ではその手順に悩むことは無いはずです。それと同じで、「何も考えず」に解法が浮かぶ状態まで自分の知識が深まっていることが、テストへの準備ができた状態です。その状態にするには、毎日制服を着るように何度も繰り返す必要があります。

 

先の「暗記より思考」ですが、この暗記の状態がたくさん積みあがっている人ほど、より高度な思考ができるようになる気がします。何も考えずにオートマティックに基本作業のできる人のほうが、基本作業でもいちいち考えて行わなければならない人よりも脳の容量を思考活動のほうに割くことができるはずです。学校の勉強は、社会に出て役に立つのかという疑問について、能力の習得の仕方を勉強から学べるという点で真面目にやっておいて損は無いと言えそうです。