隅ばかり磨くな、全体を把握しよう。

富士中の期末テストまで11日です。今日は中1・中2の生徒と高校生が全員自習に来て頑張っていました。素晴らしいですね(^^)/ この調子でテストまで頑張りましょう!

 

定期テストの勉強の第一歩は「学校のワークを繰り返し解く」ことだと思います。学校でもそのように指示されます。

 

ただここで大切なのはその「繰り返し方」です。最初の1問目からきちんと解いていこうとするとたいてい上手くいきません。テスト範囲表は2週間前くらいに出されます。だからどんなに頑張っても物理的に2周目くらいでテストを迎えることになってしまい、ワークの内容全てをきちんと定着させてテストに臨むのは難しいと思います。このように初めからきちんとやろうとするのは完璧主義の生徒に多いのですが、「完璧主義=成績が良い」わけではないのはこのためです。

 

私は「7周解きなさい」と言い続けているのですが、上のような方法では難しいので、「7割くらいの出来」でやることをおススメしています。まず1周目ですが、とにかく速さを意識して行います。できない問題はどんどん飛ばし、丸付けの時に答えを書いてしまう。できる問題とできない問題を仕分けする作業だけに集中する感じです。この1周目は全科目を1日で終わらせるくらいの雑さでいいと思います。

 

そして2周目3周目が本気の勉強です。1周目で正解した問題は、「もうできる問題」なので反復から除外してしまいます。できない問題だけを解いていくのですが、分かっていて間違えた問題だったらそのまま解き、分からない問題なら解説を読んでから解きます。答えが分かっている状態で解くことで定着させるイメージです。そしてできるようになった問題はどんどん除外していき、できない問題だけを残して反復します。その中で解けない問題があっても、時間をかけないようにして次の周回で拾えるようにしていきます。3周もしていけばできない問題はほとんどなくなるはずなので、1周にかかる時間がどんどん短くなるはずです。それでもできない問題はその場は諦めて「寝かせて」おいて大丈夫です。後になって質問してみたり、教科書を読み返したりしているうちに突然できるようになったります。理解があとから追いついてくる感じです。

 

4周目5周目は高速化を目指します。ノートなどに書くことを省略して目で問題を解いていきます。国英社などは問題を見た瞬間に答えが浮かぶか、数理なら解法が思い浮かぶかをチェックしながら進みます。計算式などは書いてもいいと思いますが、とにかく素早く「全体を」1周していくことが大切です。初めはとても広く感じたテスト範囲も、全体を高速で1周できるようになると一つの知識の塊のようになって頭の中に入っています。そうなるとテスト範囲の知識が手元にあって簡単に使いこなせる状態です。まるで、小さかったときは最寄りの駅まで行くのにとても遠く感じる大冒険だったのが、慣れてくると「ちょっと駅前の本屋に行って来よう」くらいで行けるようになるのと同じです。難しく感じていた学習内容も、もう自分の「常識」となって当たり前のように思い通りに振り回せます。これが応用力のついた状態です。高速化はワークのテスト範囲1科目につき30分以内で1周できるようになればほぼ完成です。

 

6周目は本当に楽しいと思います。全部分かりきっている問題を解く、無双状態です。この世の真理に触れている感覚になるでしょう。そして7周目。もう一度初めから、全ての問題を解き直してみましょう。分かっていて除外した問題も新しい側面が見えてくることもあります。7周目がテスト勉強初級の卒業試験です。この頃には何かを解脱し、厳かな気持ちに包まれていることでしょう。

 

これだけで学校のテストでは上位に食い込めると思いますが、本当にトップクラスの生徒は、この上にさらに教科書の読み込みなど、他にも手を出していると思います。でもひとつ言えるのが、7割の出来でもくり返す回数の多い人のほうが成績は良いということです。きちんとやる完璧主義者という重い上着を脱ぎ捨てて、軽やかな7割主義者で駆け抜けていきましょう!