いまいち突き抜けられていないのは読解力のせいかも知れない。

受験勉強などで後半になって伸びる子がいます。2年に1人くらい、9月から12月くらいにぐんぐんと偏差値を10くらい上げるような子が出てきますが、そういう子には元々、人並み以上の「読解力」が備わっている気がします。

 

後半巻き返し型には男の子が多いのですが、その条件はまず体力があり、読解力があって、勉強に「はまる」性質を持っていること。そういう子が後半になってぐんぐん学力を伸ばしていくように見えます。あ、あと、それまであまり一生懸命勉強をしてきていない子です(^_^;) 上記の要素があって、もっと早くに「目覚め」ている子は、すでに上位集団を走っています。この、「体力がある」と「はまる」、そして「勉強をサボってきた」というのが男子に多く当てはまるのでしょうね。

 

いずれにしても「読解力」というものが学力向上に必須なことは疑いようもありません。後半に巻き返す為には、他の人よりも多くの学習量が必要になります。それは学校や塾の授業だけで賄えるものではなく、自学の中で人より多く積み上げていくしかありません。そうすると、多くの場合、課題を自分で乗り越えていくことになります。問題を解いて間違えたものは解説を自分で「読ん」で理解する、分からないものは辞書や参考書を「読ん」で調べる。自学は読むことがセットになっています。

 

だから正確に文脈を捉えて内容を理解する。それを読解力と呼ぶのならば自学には必須の力です。読解力が無いと、まず書かれている内容を正確に理解することができませんし、読んだ内容も身に付きにくいです。また、入試や模試では最近、問題文が長くなっています。その問題文を読めなくて問題が解けていない子が多くいます。ここにも読解力が関わってきます。つまり、読解力の無い子は普段の学習で効果が薄く学力が伸びにくく、更にはテストで問題が読めなくて間違えまくるという2重の落とし穴にはまってしまっています。逆に読解力のある子は後半の集中である程度巻き返しが測れる(こともあります)。これだけ差の広がる能力ですから、伸ばさない手はありませんよね。

 

例えばテニスをするときに、フォアやバックの打ち方ができていても体力がなくては試合に勝つことはできません。勉強も、その科目の知識を覚えているだけでは高得点は望めません。定期テストで60点前後を取ってくる生徒が北辰テストを受けると国語の偏差値が低いことがあって「原因はこれかな」と思うことがあります。定期テストの得点でいまいち突き抜けられていないのは読解力が弱いからかも知れません。テストにおける体力や反射神経の一つは読解力です。表立って目に見える力ではないので軽視しがちですが、試合に勝つためには実はとっても大切な力です。