勉強の臨み方

日頃から全力を出すことをしておかねば、いざという時に本気を出そうとしても最大限のパフォーマンスは出ません。

 

お父さんが、子供の運動会で保護者対抗リレーに出たときのことを思い浮かべて下さい。日ごろからジョギングなど運動をしているお父さんは颯爽とトラックを走っている傍ら、運動不足のお父さんは何もないところでつんのめったり気持ちだけが逸って体が追い付かずに転んだりしています。

 

ただそういうお父さんであっても、学生時代はみなさんと同じように走れていたのです。それがやがて仕事が忙しくなって運動する機会が減っていき、50メートルを走り切ることができなくなってゆきます。(世のお父さんは、走ることよりも家族を守ることに本気になってゆくのです。)

 

勉強も同じで、日ごろから本気を出しておかねばテストなどでいざ頑張ろうとしても良い結果はついてきません。日常の勉強の中に真剣勝負を持ち込まない限り、テストなどの本番では気持ちが逸るだけで頭はついていきません。したがってつんのめったり転んだりした点数を取ります。

 

では、どうすれば日頃の勉強に本気を持ち込めるのか。それは「完璧」を求めることです。暗記をするならばそこにある知識全てを頭に入れること、計算をするなら1問も間違えないようにすること。時間制限を設けるなら設定時間の8掛けで解き切ること。ルールをできるだけ厳しい条件で決めて行えば、それだけで本気度がグッと上がります。「このくらいでいいか」と一瞬でも思ってしまったらそれはもう本気ではありません。

 

中3受験生の中で、北辰のかこもんを解いていて同じ科目でも偏差値がかなり上下する子がいます。もちろん習得度の違う分野が出題されていることも原因として考えられますが、数学の大問1の計算でボロボロ落とすこともあったりするのはやはり「本気度」が低いときなのではないか、そんなことを思います。できているときはできているので。その問題への「臨み方」みたいなものでも結果は変化します。ただなんとなく漫然と問題を解いていないか、一度振り返ってみるべきです。

 

問題を解く前に机の上に余計ないものを出していないか。自分の志望校を想像するか。自分の目標を頭の中で思い描いているか。注意事項を頭の中で復唱しているか。目を閉じて集中力を高めようとしているか。名前欄に必ず名前を書いているか。精神論ではありますが、甲子園球児のようにマウンドに一礼する姿勢みたいなものが備わっている子はやはり安定して実力を出せている気がします。