「基礎からやり直す」は、基礎だけをやることではない。

中3生の期末テストが終わり、中1・2年生の期末テストまで10日を切りました。本日は塾を開けた時間から続々と生徒が集まり、既に自習室、個別ブース共に満席です。

 

生徒が言うことがあります。「基本からやり直したほうが良い」と。時間があればその通りだと思うのですが、模試や受験が差し迫ってきている場合はちょっと待ってと言いたいです。その時間を取ることができるかどうか、きちんと考える必要があります。

 

受験が近くなってきてから、入試の問題が解けなくて、「基本からやり直したほうがいいのでは」となった場合、基本に戻ってやり直すだけでは間に合わない場合があります。問題の難易度を下げて勉強し直すのは、今やっている勉強を先送りすることになります。したがってその分、入試レベルに達するまで時間がかかります。入試レベルの問題を解くのは脳に負荷がかかって苦痛が伴います。それを嫌がって簡単な問題に「逃げ」ていないか、もう一度振り返ってみて欲しいのです。もしも気持ちに「逃げ」があるとしたら、おそらくいつまでも入試レベルの問題を解く段階にはたどり着けないでしょう。

 

それでも「基本からやり直す」というのなら、人の2倍も3倍も時間をかけないとならないことを覚悟しなくてはなりません。他の人が入試レベルの問題や過去問をやっている時に、基本問題だけをやっていても追いつくことはできません。基本問題で復習しつつ、入試問題にも手を付ける。そのくらいのことをやってのければ、基礎から身に付け直し、入試レベルに届かせることもできると思います。