昨日来られなかった子が挨拶に来てくれました。案の定いろいろな思いがあふれてきてしまい、しどろもどろで上手く話すことはできませんでしたが、今この文章はその子のことを考えながら書いています。

 

今年度の受験が全て終了しました。受験が終わり期末テストが終わり、そして北辰テストも終わったところです。教室はずいぶんと静かになりました。こうして少し広くなった教室を見ていると、塾を立ち上げた当初を思い出します。

 

塾を立ち上げて始めての広告を配布してから2週間、窓の外ばかり見ていました。最初の入塾生が来るまで、意気込みと不安がないまぜになったような気持ちだったと思います。絶対に上手くいかせてみせる、失敗したらどうしよう。そんな思いを行ったり来たりしながら外を走る車を眺めていました。

 

それから初めて見学に来られた保護者の方と話したときの感動や、初めて授業を行った日。少しずつ入塾生が増えたり減ったりしながらここまでやってきました。それほどの年数ではありませんが、ここまで続けていたからこそ、今日来てくれた子とも会うことができました。

 

大人になって、自分にも上手くいかない時があるということが分かるようになりました。上手くいく時といかない時があり、勝ったりも負けたりもする。意外と自分は負けることが多いぞなんて、中学生の時は思いもよりませんでした。年を取り経験が増えるに従ってそんなことを繰り返しながら前に進んでいるんだと思うようになりました。そしてその、どちらにも価値があるんだということにも気付けるようになりました。諦めない限り終わらないし、一度失敗したぐらいで自分の評価は変わらない。そして頑張っていれば応援してくれる人が現れる。そういうことを素直に思えるようになりました。

 

この思いを今日上手に伝えられることはできませんでしたし、ここで塾は卒業なのでこれからも寄り添っていくことはできません。ですが、それでも残しておきたいと思って書きました。いつかこの文章がその生徒の目に留まり、応援している人間がここにいると伝われば幸いです。君はよく頑張っていたし、その姿は周りの人間を惹きつけるものでした。これからもきっと応援してくれる人がどんどん出てくると思います。

 

 

さて、私のほうはまた心機一転、頑張っていきます。まだ膝に力が入りませんが、もう次の準備をしていく時期になりました。周りを見回すと、散らかった教室が見えます。まずは片付けからですね。今まで関わってきた生徒の思いを次につなげられるよう、小さなことをコツコツと積み上げていきたいと思います。今年度の受験に関する思いはこれでおしまいです。次の話をしていかねばなりません。