本を読まない

面談を行っています。来ていただいた保護者様は本当にありがとうございます。いろいろな話を聞けたので、指導に生かしていきたいと思います。

本を読まない


保護者様とお話をしていてとにかく出てくるのが、「子供が本を読まない」ということです。国語の成績の話をするとこの話になります。

 

もう読書というのは、特別な趣味になっているのかも知れませんね。私が学生だった頃は、「趣味は読書」は当たり前過ぎて個性が無いなんて言われていましたが(^_^;)

港町の食堂の海鮮丼


で、なぜ子供が読書をしないのかはスマホがあるからなのですが、これはもう仕方がないですよね。読書の習慣は小学生の頃に身に付けるものだと思いますが、小学生や中学生でスマホを手に入れてしまえば、本は読まなくなります。

 

読書もスポーツなどと同じで遊びとして始まり、より高尚なものを読もう、勉強のために読もうとするのは読書の経験がある程度積まれてからだと思います。ですから、遊びとして選ぶならば本よりも断然スマホですよね。わざわざ本屋に行かなくては内容を見て知ることもできない本は、いわば港町の食堂の海鮮丼です。

 

地元でとれた本物の素材を使った料理は確かに美味しいかも知れませんが、近所に回転ずし屋ができたら普段はそっちに行ってしまいます。わざわざ港町まで車で出かけるのは、「そういうのが好きな人」がやることです。ゆえに子供に「読書は学力が伸びるからやりなさい」などと言っても、娯楽じゃないならやりませんし、楽しさを説いたところでその楽しさを「読書を通じて知る」ことをしていない子供にとっては、「免許の無い車」のようなもので、スマホの直接的な刺激には勝てないのだと思います。

それでも読書っていいよね。

そんなわけで、子供に本を読ませよう作戦は苦戦中です(^_^;) なかなか頭の痛い問題ですね。

 

ただ、その目的が「読解力を付けさせる」ことならば、他にもやりようはあるというか、その手法を塾は今後生み出していかなければなりません。

 

ひとつは、読解力はトレーニングと割り切ってしまうことかなと思います。まずは筋トレさせて速く走れるようにしてしまう。そうすれば走ること自体に楽しさを感じられるようになるかも知れません。まずは読めるようにさせてしまえれば、その内容の素晴らしさに気づけるかも知れない。ちょっとパラドックスを含んでいますが、その方法をもくせい塾では模索しています。

 

私自身も子供の時に読書を特別たくさんしていたわけではありません。私よりも「本の虫」だった子が実際にいました。ですが今、国語の授業をしていて、私のしてきた読書の経験を話すと楽しそうに聞いてくれる生徒もいます。面白いと感じる心は今も昔も変わらないんだなと感じます。ですから、たまには現地の美味しいものを求めて遠出し、その途中で見た風景や会った人との会話を楽しむような経験を、本からは得られるんだと伝えていきたいと思います。読書ならば、コロナを気にせず世界中のどこにでも、時間ですら飛び越えて過去や未来にだって行けるのですから。