指導で気を付けていくこと②

共通テストの東大会場での事件。この日にどれだけの思いを持って臨んでいるのか、また、普通に勉強ができるとはどれほど恵まれているのか。そういうことを考えると痛ましく思います。

「話を聞いても理解できない」場合


前回の記事の続きです。

 

一方で、「聞いても理解できない」というのは根が深く、対策してもすぐに効果は出にくい問題だと思っています。なぜならこれは、生徒個人の経験による部分が大きいからです。

 

講義の進度が速かったり、内容が難解だったりすると、聞いても理解できなくなります。ですから、対策としてできるだけ話す速さをゆっくりにし、内容を噛み砕いて説明します。ですが、それでも理解できない場合もあります。

 

どこかで聞いた話なのですが、人は分からない単語が2つ出てくると内容を理解できなくなるそうです。例えば

 

「国際連盟は満州国の不承認と日本の撤兵を求める勧告を採択した。」

 

という文章で「不承認」と「勧告」の意味が分からない場合、

 

「国際連盟は満州国の□□□と日本の撤兵を求める□□を採択した。」

 

 

と聞こえるはずで、1つだけならまだしも、こうなってくるともう理解ができなくなります。他の生徒よりも言葉を知らないと、同じ説明を受けていてもこのように理解できない文言が多くなり、どんどん穴が広がっているはずです。

 

話を噛み砕いて話すだけではダメ


こういった場合、集団指導よりも個別指導のほうがいくらかは対応ができると思います。集団授業の場合は他の理解できている子たちをあまり待たせるわけにはいきませんが、個別授業のほうならば、生徒が理解出来ていないことに気付いたら、理解できるまで言葉を噛み砕き、別の例えを用いたり角度を変えて説明しなおすことができるからです。ですが、個別指導であってもカリキュラムに沿って進めなくてはいけないので、制限時間があり限界があります。

 

ですので、勉強における配管の入り口を広げるような取り組みも同時に行い、語彙力や話を聞いて理解する力を養っていかないと、差が広がるばかりです。

配管の入り口を広げる取り組み


配管の入り口を広げるような取り組みとしては、教科書を読むことや、辞書を引くような読む作業が効果的だと思っています。今の教科書には用語の解説ページが付いていたりして親切ですし、やはり言葉は学ばなくては知り得ません。

 

地道な話ではありますが、塾でしかり辞書を引かせたり、教科書を音読する機会を設けたりすることが少しでもこの問題を解決する一助になればと思っています。