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勉強においてはスピードは武器だが、正確性は防具のようなものだと思う。
最強の盾
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勉強で一番大切なのは正確さ。その次にスピードだ。昔指導した「とても正確な」中学生の話。
その子はいわゆる不登校で中1から学校に通っていなかった。中3になり受験が近いということで入塾してきたのだが、なにしろ学校の授業を受けていなかったので学力は真っ白だった。
受験までの残り時間でできるのは計算と関数・図形の基礎事項を教えることだけだった。毎週1時間数学をイチから指導したが、この子は教えると、本当に「教えた通りに」問題を解いた。私の書いた途中式を見てそっくりそのまま再現する。問題を解くときには、なされた説明を復唱しながら解く。それまでの学習の蓄積が少なかったので、速度はとても遅い。問題を解くスピードはスポーツにおける筋力のようなもので、継続していかないと伸びない。しかし、解法の再現が完璧なので全く間違えない。
スピードは無いが、とにかく正確でミスが無い。逆にもしかしたらある程度学力がある子は、良い成績を意識しすぎて「時間内に」やろうとし、それで冷静さを欠くのではないか。そんなことを考えさせられた。結局この子は学校の通知表のせいで公立は受けられず私立高校を受験したが、一般受験で合格して高校生になった。
良い点数を取るにはスピードは不可欠だが、学力を安定させて崩れない学力を身に付けるには正確性をまず鍛えるべきだ。そしてそれが土壇場で力を発揮する、と思う。