貯めた経験を

検証することは大切だ。

試して確かめて


講師として塾で指導していると、ルーティーンになるものもあるが、同時に新しい経験も増えていく。授業の内容も指導の方法もゴールは無い。日々試行と検証の繰り返しだ。

 

対照実験には条件を変えたいくつかの例が必要だ。比較対象が無くては検証のしようがない。例えば「毎日勉強をしなくてはいけない」と言っても、それは本当なのか、ソースはあるのかと言われるとなかなか出しにくい。生徒には個性があって、それぞれ違うからだ。結局それを言う人の経験でしかない。

 

だからせめてその経験値の信頼度を高めるための具体的なものはないかなと思って、生徒の学習の記録をつけてもらっている。これを見れは生徒が週に何回、どのくらいの時間授業や自習に来ているかが分かる。その時間と生徒の成績変動を見るとやはり正の相関関係が見られる。1科目だけを伸ばすにはこれくらいやれば大丈夫だが、学んでいる全科目に効果を出すにはやはり毎日何時間以上学習している必要があるな、とか。同学年の生徒たちでも学習量が違うと比較がしやすい。もちろん使える時間全部を勉強に注ぎ込むのが一番良いが、「最低でもこれくらい」が分かっていると安心して飛び込める。スポーツジムなどでダイエットをするときに、「できるだけ痩せなさい」と言われるよりも「まずは2ヵ月で3㎏減を目指しましょう」と言われるほうがやる気も出る。

 

データを取るというとなんとなく生徒で実験しているようで嫌だけど、「気合いだー!根性だー!」というのも嫌がる人は多い。個人的には好きなんだけれどね。でも自分の言うことに説得力を持たせ、分かったことを生徒に還元したいと思っている。