アルバイトを「クビ」にした話①

講師募集も大変だ。

塾講


もくせい塾は、私一人で運営している。私が塾長兼講師。したがってアルバイトに関する悩みは無い。(その力を借りることもできないけれど)

 

昔働いていた塾で、アルバイトをクビにしたことがある。アルバイトというもの性質上、経営者としてはそんなこともよくある話だとは思うけれど。

 

講師アルバイトの募集に応募してきたのは、一橋大に通う学生。採用試験の結果も悪くなかった。

 

アルバイト講師を使う塾では、慢性的な講師不足になりやすい。まず募集をかけても人が集まりにくく、集まっても採用のふるいにかけねばならない。その業務内容は手足があればいいというわけにもいかないので、ふるいでは結構不採用にすることもある。またアルバイト希望者が集まりやすいのは、大学生が新生活を始める2・3月ごろになるのだが、塾では受験生がちょうど卒業して生徒の数が減る時期になる。だから採用しても仕事もあまり振れなかったりするので、募集はするが採用は慎重になるというねじれ現象が起きる。

 

また、アルバイトをする学生のほうも今は情報が簡単に手に入る。塾講師が「楽」な仕事でないことを知っている。思ったよりも稼げない(時給は高いがそれは空き時間も含めた金額たったりするので効率が悪い)、仕事は制約も多く自由が利かない、指導は自分の思い通りにいかず成績は上がらない。時には心理的に相当「くる」ことにも出くわす。塾講のバイトは「厳しい・キツイ・悔しい」の「3K」なのだ。教えることに何かを持っている人でなければ、「だったら他の仕事を探そう」となってしまうこともあるだろう。

 

そんな中やってきたダイヤの原石。私はその大学生を喜んで迎え入れたのだった。