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越谷北高校に合格した生徒の話。
いっつも端っこにいるRさん
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この子は私が雇われ塾長をしていた時の子。
中2の初め頃に入塾してきたRさんは、「控え目な」という言葉が似あう子だった。決しておとなしいというわけではなかったけれど、さわぐことも無い。目立たないことを好んでいるような感じがした。やっぱりK君と同じで周りの子よりも少し大人な印象だった。
他の越北合格者ど同様、自習にはよく来ていた。でもいつも静かにしていた。当時の教室は、第一自習室が事務室を通って奥にありそっちが16席のメイン。そして事務室の横に長机を並べた8席ほどの第2自習室、そして事務室の脇に2席だけの自習室とも呼べないスペースがあった。この子の定位置はこのスペースだった。ここは出入りする子や講師からは見えない。本当に片隅の隅っこがお気に入りだった。
中3の夏休みを過ぎると質問をしてくるようになった。それも授業時間になり講師や生徒が事務室から出払っていなくなったタイミングで、私のところにやって来る。きっと恥ずかしいんだろうなと思うと同時に、そういった周囲の「流れ」のようなものをよく見ているなと思った。
受験が終わって再び顔を合わせた時に、講師に手紙を書いて渡していた。私ももらったが「勉強が楽しくなった」と書かれていて嬉しく思った。もしかしたら「声の大きい」子も結構いる世代だったので、居心地悪くさせちゃったかなと心配していたが杞憂だった。行動にこだわりと一貫性を感じさせる生徒だった。