第一印象

応援したくなるよね。

協賛の依頼


昔勤めていた塾であったこと。

 

塾には、高校の部活動から「協賛」の依頼が来ることがある。部活動が行うイベントなどへの出資だ。代わりに作成するパンフレットやポスターに塾の名が載せられますよ、と。

 

これから褒めるので高校名を言ってしまうが、浦和高校のグリークラブ所属生徒の依頼の仕方が素晴らしかった。

 

まず塾に電話がかかってきて、

 

「私、浦和高校グリークラブの〇〇と申します。今お時間よろしいでしょうか(←この確認大事)」

 

そこから自分たちの活動内容とイベントの協賛を募っているという話になり、

 

「一度お話だけでもお伺いしてよろしいでしょうか」

 

と。もうこの丁寧なやりとりだけで出資することは決定していたのだけれど、実際に会った時の振る舞いも礼儀正しくこちらの心を動かすものだった。やって来た生徒はその塾の卒業生とかではなく面識は無かったのだが、一人で来て堂々とイベントの説明をしていった。しっかりした物言いに反して、高校生ならではの若々しい笑顔。私はすっかり虜にされ、「あらぁ、そうなの~?」と近所の世話焼きおばちゃんよろしく、雑談に興じてしまったのであった。頑張っている人を応援したくなるという意味では実際にそうなのだけれど。

 

もしかしたら依頼の練習などもしていたのかも知れない。顧問の先生の指導の賜物かも知れないし、その生徒の資質かも知れないが、高校生としての必要十分を超えたものを感じた。