自習室で静かな生徒

越谷という場所のせいか、このあたりの中学生で優秀な子の中にはもっと上位校に行ける力があっても「越北でいい」という中学生が結構いる気がする。

昔勤めていた教室で、いつも自習室の隅で勉強している受験生の女の子がいた。いつもいつの間にか塾にいる感じで、メインの自習室ではなくサブで用意していた机が2つだけの隅っこのスペースで勉強している。そして質問に来た生徒やアルバイトの先生でごったがえす塾のゴールデンタイム、職員室が騒がしくなっているときは気配が感じられず、生徒たちが帰ったり授業が始まったりして喧騒が過ぎ去った後、私のところに質問を持ってくる。当時教室長をしていた私は職員室にいたのでその流れが見えていたけれど、他の子と時間の流れが違うような生徒だった。

模試の偏差値がすこぶる高く、学校の成績も申し分なかったことから一度「浦和一女受けない?」と言ってみたのだが、その子は「越北でいい」と言った。まあ、自分で考えてのことなのだろうなと思ったのでそれ以上は特に何も言わずにその子は越谷北高に進学していった。

塾の最後の日その子が私宛に手紙を書いてきてくれていたのだが、そこには「勉強が嫌いだったけれど、先生のおかげで楽しくなった。」と書いてあった。それまでそんな素振りは全くなかったので成績優秀な子の中にも勉強嫌いを明言する子がいることに驚いたが、それでも楽しく塾で過ごしてくれていたのだなと思い嬉しかった。