越境して受験すること

進学をするにあたり「越境」という言葉が使われる。

ここ越谷市だと、小学校を卒業して公立中学校に進学する際に最寄りの学校ではなく少し離れた別の学校を選択することを指したりもするようだ。近隣にいくつか中学校があるがそれぞれ特徴があるのでその希望する内容に合わせて越境が行われる。

中学校を卒業して高校に進学する際の越境は主に"都内に出る"かどうかになる。高校受験で志望校の条件に「都内がいい」という項目を付け加える生徒が一定数いる(保護者の意向の場合もある)。これは埼玉県民あるあるかも知れないが、やはり東京都内は高校の数も多く選択肢が増える。

高校から大学へ進学する際は、自宅から通う場合でも都内の大学は選択肢から外せない。埼玉県内に本籍を置く大学数は25校ほど、それに対し東京都内の大学数は日本で1番多く130校ほどあるからだ。埼玉県内の落ち着いた雰囲気の大学も魅力的だが、都内で華やかなキャンパスライフを送ることに魅力を感じる生徒も多い。

私個人としては、学ぶ場所が自分の住む場所に制限されるのはなんだか江戸時代の身分制度みたいで嫌だなぁと思ってしまうのだが、生徒には現実を見た進路指導をする。通学時間が30分伸びるだけで1日1時間は勉強時間が削られてしまうこと。2ヶ月で40時間、問題集1冊分をこなす時間が通学に奪われる。体力面でも負担が大きくなる。高校生になって、都内はもちろんのこと埼玉県内の旧8学区を出ることになった場合、ちょっと忙しい運動部にでも入ろうものなら満足な勉強はほぼ諦めることになる。そういう生徒をたくさん見てきた。"それでもやりたいことがそこにあるのかい?"と。大学まで行ってしまえばあとは自己責任だと思うが、高校までの「越境」は事情を知っている大人の助言が必要だと思っている。