〇〇ってするんですか⑤

面倒臭いことはやらなくては「いけない」


しかし、私はその生徒に「全部繰り返しなさい」と伝えました。それは、分かっている問題も含めて全部解き直すことで身に付く力があるからです。

 

まずは「基礎学力」です。学校のワークはステップ式に問題が並べられているので、前から順に解くことでその学習内容の理解が深まります。一度解けた問題でも、次の問題とのつながりは何なのか、その橋渡しになっている知識を身に付けることがそういう構成のワークの意図です。

 

そして「勉強体力」です。大量の問題を短時間で処理する能力は伸ばしておいて損はありません。時間当たり処理能力が低いと、他の人と比べて結果が出せません。テスト勉強は、目先のテストの為だけにするわけではないんですね。

 

その時のその生徒は学校の定期テストで350点前後、真ん中くらいの成績でした。つまりまだ「基礎学力」も「勉強体力」も不十分な状態でした。テスト勉強も、ワークをちゃんと繰り返したこともありません。そんな状態から効率を求めて「やらない問題」を選り分けることは、おそらく自分ではできません。

 

人は自分にとって都合のいいほうの意見に飛びついてしまいがちです。しかし勉強は効果のあるものというただし付きで、「面倒なほう」を選んだほうが絶対にできるようになります。