活字に触れること

昔、実際にあった話です。

 

中3の受験生を指導していたときのこと。国語の成績がかなり悪かったので、何が原因か探ってみたところ、その生徒は漢字が全く読めていませんでした。5科目の偏差値は、真ん中くらいだったので、「まさか」とは思っていたのですが…。設問の「次の中から筆者の意見と合致するものを選べ」の「筆者」と「合致」が読めず、意味も分からないので適当に選んで間違えていたのです。

 

その時、日頃から活字に触れることの大切さを学びました。その生徒は、文庫本を最後まで読んだことが無かったそうです。国語の読解力は全ての勉強の基本です。また、すぐには身につかない力なので、日頃から本を読むなり活字に触れて養っていく必要があります。学校では設問の読み方なんて教えてくれないですからね。

 

そんなわけで、ことあるごとに生徒たちには「本を読むように」と言っています。読むものは自分の興味のあるものならなんでもいいです。もし何を読んだらいいのか分からないなら、周りの大人が何かおススメしてあげるといいと思います。国語が全ての科目の基礎にあり、英語や数学が多少できなくても国語ができれば成績はすぐに上がりますが、国語ができないと成績は頭打ちになります。義務教育で行っているのは、将来社会にでても困らない学力を身に付けることです。上記の生徒のように、日本語が読めないのに偏差値が「中くらい」では、将来社会に出たときに困ってしまいます。読書の勧めは生きる力を身に付けてもらいたいからとも言い換えられますね。