合格に必要な勉強時間

大学受験業界で囁かれるのは「上位難関大に合格するには2000時間の学習時間が必要」というものだ。

もちろん昔と今では受験の世界も全く違うし、そもそも人によって学力の状況も違えばどこの学部受けるにも同じ学習時間でいいの?と言ってしまえば全く根拠のないことなのだろう。しかしこのように言われるにはなにか理由があるのだろうなとも思うのでとりあえずの目安にはしている。

この2000時間は学校の予習復習以外での学習時間のことだ。高校1年生から始めようとすると1日2時間程度、高2からなら1日3時間弱、しかし高3から始めようとすると1日5時間半ほどになる。長期休み期間はそれ以上できるとしても平日学校がある日に行うのはちょっと難しい。つまり難関上位大を目指すならば高3から勉強を始めるのでは遅いという話になる。なんとなく"受験格言"のようなものをひねっている人の好きそうな流れで書いてて恥ずかしいのだけど。

実際に高校生と勉強計画を立ててみると分かるが、4月から受験のある2月上旬までの期間内に基礎固め・実力養成・過去問演習及び仕上げの期間を問題集ベースで入れ込もうとすると結構キツキツになる。それまであまり自主学習できていなかった生徒がこれをこなせるのか…と不安にもなるが、本人の志望校がそこならば必要なことを提示するのが塾の役目と思い、心を鬼にして「やれ」という。いずれにせよ準備は早いに越したことはない。

通知表の「2」は警告である

弊塾を訪ねてきた中学生の面談をすると、通知表に「2」がある生徒がたまにいる。

通知表は1から5までの5段階、なので3を真ん中として「2」は「4」と同じ割合いるのではないかというとそういうわけでもなさそうだ。あくまで塾を運営していての肌感覚なのだが。定期テストが平均点よりも多少悪くても普通に授業を受けている子の通知表は大体「3」になる。通知表で「2」がつくというのは、定期テストでよっぽど悪い点数を取ったか、授業態度や提出物等の平常点が悪いかしないとつかないイメージだ。(「1」は授業に参加していない等の特別なことがない限りついているのを見たことがない)

学校の先生方も「2」の評価は付けづらいのではないかと思っている。なぜなら、高校受験で募集要項に「通知表で2が無いこと」を推薦基準にしている私立高校が結構あるからだ。埼玉県の受験では、推薦を取らないと私立高校に入るのは相当難しい。つまり生徒に「2」を付けてしまうとその子の進路を狭めることになる。もちろん学業の評価が情に絆されてはいけないのだが、事情を知っている先生としてはやりずらいだろう。

しかしそれでも学期末の評価で「2」が付けられている場合、これは教科担任からの「警告」と受け取るべきだ。受験で資料として使われるのは学年末の評価。1学期末の評価で「2」がついた場合、もし2学期も「2」になってしまうと学年末で「2」を確実に脱するためには3学期で「4」以上の成績が必要になる。本当に学力的な面でついてしまったのならば仕方がないが、提出物忘れや授業態度が悪い等の"直せる"面でついてしまった評価ならば、「もう後がありませんよ」という先生からのメッセージを真摯に受け止めてすぐにでも変わっていかねばこの先の人生はおろか高校受験で早々に自分が苦しむ。明記されてなくても埼玉県内の私立高校で「2があってもOK」なところってあんまりないよ。

越境して受験すること

進学をするにあたり「越境」という言葉が使われる。

ここ越谷市だと、小学校を卒業して公立中学校に進学する際に最寄りの学校ではなく少し離れた別の学校を選択することを指したりもするようだ。近隣にいくつか中学校があるがそれぞれ特徴があるのでその希望する内容に合わせて越境が行われる。

中学校を卒業して高校に進学する際の越境は主に"都内に出る"かどうかになる。高校受験で志望校の条件に「都内がいい」という項目を付け加える生徒が一定数いる(保護者の意向の場合もある)。これは埼玉県民あるあるかも知れないが、やはり東京都内は高校の数も多く選択肢が増える。

高校から大学へ進学する際は、自宅から通う場合でも都内の大学は選択肢から外せない。埼玉県内に本籍を置く大学数は25校ほど、それに対し東京都内の大学数は日本で1番多く130校ほどあるからだ。埼玉県内の落ち着いた雰囲気の大学も魅力的だが、都内で華やかなキャンパスライフを送ることに魅力を感じる生徒も多い。

私個人としては、学ぶ場所が自分の住む場所に制限されるのはなんだか江戸時代の身分制度みたいで嫌だなぁと思ってしまうのだが、生徒には現実を見た進路指導をする。通学時間が30分伸びるだけで1日1時間は勉強時間が削られてしまうこと。2ヶ月で40時間、問題集1冊分をこなす時間が通学に奪われる。体力面でも負担が大きくなる。高校生になって、都内はもちろんのこと埼玉県内の旧8学区を出ることになった場合、ちょっと忙しい運動部にでも入ろうものなら満足な勉強はほぼ諦めることになる。そういう生徒をたくさん見てきた。"それでもやりたいことがそこにあるのかい?"と。大学まで行ってしまえばあとは自己責任だと思うが、高校までの「越境」は事情を知っている大人の助言が必要だと思っている。

中1ショック、高1ショック

高校生の中間テストが来週あたりに迫ってきている。ゴールデンウィークを過ぎたらあっという間だ。

小学校から中学校へあがった新中1生と保護者が、初めての定期テストの結果でショックを受ける"中1ショック"はよく聞く話だけれど、これは中学校から高校へあがった新高校1年生にも当てはまる現象だ。ただ保護者の方が「もう高校生なんだし」と、少し距離をとって子供の勉強面を見るようになることが多いのであまり顕在化はしないのだと思う。ありますよ、"高1ショック"。弊塾でも高1の終わり頃になって、「高校に入って勉強が分からなくなった」と大変になっちゃってる成績表を持って入塾面談に来る親子がよくいらっしゃる。

どちらにせよ中学生なら小学校での、高校生なら中学校での学習生活を引きずったままテストに突入しちゃうことが原因だ。進学したら勉強の姿勢も明らかにアップデートしなくてはならない。中学生になったら出された課題はきちんとこなしていて、定期テスト2週間前くらいから1日4時間くらいは勉強する"テスト勉強モード"になる習慣ができているか。高校生になったらテスト前に勉強しても間に合わないので毎日1、2時間はその日の復習と翌日の予習を欠かさずしているか。そのあたりが学校で"真ん中"の成績を修める子のリアルなんじゃないかと思う。それができていない子はどこかでつまづくことになる。大切なのは"以前よりやっている"という事実だ。

高校で伸びるためにも

中学3年生は高校受験に向け志望校選びも始まっている。

志望校を探すにあたり色々な項目を見比べることになると思うが、その中の一つに「進学実績」が挙げられる。進学実績を見るときに注意しておきたいのは、高校合格者数は"のべ人数"であること、つまり1人で何校もの合格を出している可能性があるため、「○○大学100名合格」とあってもその高校から100人が合格したわけではないということだ。

例として浦和第一女子高校の進学実績を見てみる。
浦和第一女子高校合格・進学者数

さすが県下ナンバーワン女子校、錚々たる大学名が連なっているが今回はそこではない。ここ3年の大学合格者数と進学者数を見てみると、

【年度】国公立合格者数→進学者数/私立大合格者数→進学者数
【2024】142→157/1209→197
【2025】160→141/1138→191
【2026】171→158/1018→180

国公立大は前期後期それぞれ1人1校受験かつ第一志望にする場合が多いので、合格者数と進学者数は概ね一致しているが、私立大の合格者数に対して進学者数が極端に減っているのは複数校受験のためだ。単純に国公立と私立の合格者数を合計しておよそ350人、それで私立大の合格者数を割ると一人当たり3校ほど合格している。不合格はカウントされていないので1人あたりの受験校数はそれ以上になっているだろう。
一女はこのように合格者数だけでなく進学者数も公表している。学校の姿勢として、ただ大学合格だけを目指すのではなく"誰が、どこに"までを見守ってくれているようで好感が持てる。

話を戻すと、私大の合格者数は成績優秀者が1人でいくつも稼いでいる場合がある。だから数字だけを見て、「あの学校は中で生徒みんなを伸ばしてくれているのね」と早合点するのは危険かも知れない。合格者数を稼ぐために、受験指導で生徒を推薦ではなく一般受験に誘導したり、必要以上の併願校を受験するように勧めたりするという話も聞く。それが悪いわけではないが、合格実績を見る際はその中に推薦試験の合格者も含まれていることも念頭に置き、中高一貫コースも併設されている高校ならば一貫コース生と高入生の実績を分けて発表しているかなども注意してみると見えてくるものがあるかも知れない。

越谷市内の特色選抜採用校

先日春日部東高校の特色選抜について書いたので、越谷市内の学校についても触れておく。

まず2027年より始まる特色選抜についてだが、埼玉県立高校入試は「試験」「調査書」「面接」の3つの項目が評価対象となる。その評価基準が県の定める一律の計算方法を採用する「共通選抜」に対して、学校が自校の教育方針に合う生徒像に合わせて変更したものを採用するのが「特色選抜」となる。入試のテスト問題が変わるわけではない。ただし科目に傾斜配点をつけれらる(英語を200点とする等)。この他に「特色検査」として体育や芸術の実技、作文や小論文を課す学校もあるようだ。

まだ暫定だけれど、越谷市内では越谷南高校がこの「特色選抜」を行うとされている。
令和9年度公立高校入試の各高等学校の選抜実施内容(暫定版)

越谷南高校は普通科・外国語科ともに調査書(通知表)の学年間の比率は「1年:2年:3年=1:1:2」で共通選抜と同じだ。しかし調査書の配点が普通科では「1次選抜/2次選抜=200点/350点」。外国語科では「1次選抜/2次選抜=250点/400点」とやや高めで、面接の配点が普通科・外国語科ともに「1次選抜/2次選抜=100点/150点」とかなり高い。共通選抜では面接の配点は30点か60点のどちらかを採用することになっているので、それに比べると面接重視の入試になりそうだ。

越谷南高校といえば場所もレイクタウン駅にあり、この地域でもかなり人気の高い学校で毎年入試倍率も高めになる。だからというわけでは無いだろうが、ペーパーテストの点数だけでなく、中学校での取り組みや自分の言葉で話す自立性のようなものを重んじた入試を目指しているのかも知れない。

納得の上での塾通い

ゴールデンウィークも過ぎたが、少し体調を崩している子が出てきている。寒暖差も大きい時期なので、体調管理に気をつけていきましょう。

塾は生徒を募集する。ウチも生徒を募集している。しかし話を聞きに来てくれた人に対して無理な勧誘はしないようにしている。しつこく電話をかけたり、「○○日無料体験」のように一度敷居を跨ぐと離れにくくなる仕組みを用意したりもしていない。経営者としてはダメなんだけどね。
でもやっぱり自分で考えてきちんと納得した上で通ってほしいと思っている。昔働いていた塾では、途中退塾をされる保護者の方に

「成績上げてくれるって言ってたのに」

と言われたことがある。もちろん成績を上げるのは生徒本人なのでそのようなことを言った覚えは無いのだが、きっと無理な勧誘をしていたのだと思う。当時は私にも営業ノルマがあった。無理矢理入塾されられたと感じている人は、その塾に対してわずかながら反発心を持ってしまう。そうなると成績は上がらない。

取り繕わずありのままを話し、できないこともきちんと伝え、その上で納得してもらうのがやはり人間関係を築く上でもいい。生徒を数字として見るのではなく、ひとりひとりとして向き合っていきたい。

ゴールデンウィーク明け

ゴールデンウィークが明けた。弊塾も本日から再開する。
気温もだんだんと上がり、今日は初夏の陽気だ。


5月になると学校も本格的に授業が進んでいく。高校生は中間テストもある。中学生はこの後学総があったりもするがそれが終わるとすぐに期末テスト、いつまでもうかうかしてはいられない。私も夏に向けた準備をしながらまた気合を入れて指導していきたい。