アクティブを考える

アクティブラーニングについて考えていました。今ではどこの学校でも取り入れていますね。

 

自ら考え、体験し学ぶことによって学習効果を高める。このピラミッドにもあるように、講義や読書よりも学習定着率の高い手法として位置付けられています。

 

しかし、理想と現実。なかなか思い通りにはいっていないなと感じることもあります。授業内で「みんなで考えましょう」とやっても、実際に問題解決策を出す子とそれを聞く子に分れてしまう。他の人に教える時も、教える・教えられる立場が固定してしまう。教える方は理解を深められるでしょうが、教わるほうは「友達に答えを聞く」という感覚で、それを脱することができない。だんだん答えをただ写すだけになっているようです。(教える方の生徒も塾で先行して教わったことを学校で披露しているだけの場合もあって、これってアクティブラーニング?と感じます。)生徒に感想を聞いてみると「先生が教えてくれない」という言葉を漏らす子もいます。アクティブラーニングの本来の趣旨・概要が理解できていないと、こういうネガティブな感想になってしまう生徒もいるようです。

 

また、定着度が低いとされている講義・読書・視聴覚といった項目を全てすっ飛ばしていきなりグループ討論から入って学習効果は上がるのでしょうか。教科書が読めない生徒もたくさんいる中、読むことからさせないで学力を上げる方法があれば教わりたいです。きっと文科省からすれば、これらの基礎学力は「ご家庭でつけさせて下さいね」なんでしょうね。もちろんトップダウンの講義だけでは学力を平均的に画一化させるだけの戦時中の思想の押し付けです。その批判を受けてのアクティブラーニングなので期待したいところですが、できる子はどんどん伸び、できない子はその場に放置されてしまって学力格差が広がってしまったら怖なと考えています。

 

とはいえ、私の立場はアクティブラーニング賛成です。「教わったからできる・教わってないからできない」なんて言っていたらこれからの社会では通用しませんからね。でも現状の学校のアクティブラーニングと学習塾の親和性は低いなと感じています。これをもっと塾の指導に有効に取り入れられないか。もくせい塾の現状は講義し、指導では音読を推奨し、目の前で実演して見せ、映像で教科書の読みと訳を視聴覚させているという、上のピラミッドで学習効果の低いことばかりをメインにやっています(^_^;) でも学校でやらないのならばウチでやらなくてはいけないですからね。それらの上に、アクティブな学習環境が乗っかれば理想的だなと思います。以上、現場からの意見でした。