自己流を見つけるには

誰でも持っている時間は同じ、1日24時間、1年365日です。これをどのように使うか、その内訳によってその人の能力に違いが出て来るのだと思います。中には要領が良くて短時間で他の人よりも成果を出す人もいると思いますが、そういう人も初めは試行錯誤する時間があったはずです。

 

学校の勉強も結局はどのくらい時間をかけられたかというところに行き着きます。初めに量をこなすことを覚えていけば、それがやがて質に転化し、勉強の「やり方」となってゆきます。量をこなさずに「勉強の仕方が分かりません」というのは当たり前なんですね。やり方が分かるほどやっていないうちは、自分がどこに向かって進んでいるのかすら分かりません。それをたくさん試行錯誤していくことで失敗したり、あとからもっと要領できる方法を見つけたりし、そうして勉強のやり方をつかんでいきます。

 

メタ発言になってしまいますが、「勉強のやり方」が分からないという子に勉強の「やり方」を教えても、教えた通りにできるようにならないことが多いです。どこかで愚直に努力することを嫌がって自己流のやり方になってしまうからです。勉強の「やり方」を教えようすると、教えた人の経験した試行錯誤は省かれるので、どこが勘所なのかが伝わりません。

 

そこで勉強の仕方を教える時に、「まずは唱えて、覚えて、手で書いて、演習量をこなしてみよう」という当たり前の誰でも言える、きっと生徒本人でも分かり切ったことを伝えることになります。しかしこの基本を実践することで、試行錯誤の機会を得ることができ、その中から良い勉強のやり方が見つかるはずです。それは一見他の人がおススメする勉強法と同じように見えるかも知れませんが、自分の体験が伴った、自分で見つけた自分だけのものです。その「自己流」は土台のしっかりしたとても強力な力となるはずです。