自分の学力は自分で伸ばす

幸福度は自分の人生をコントロールできている感覚と、何かに没頭している感覚に左右されるそうです。自分の思い通りにものごとが進んでいると感じると幸福度が高まるし、また仕事など何かものごとに没頭できている時間が増えると同様に幸福度が高まる傾向にあるそうです。私も本当にそう感じます。

 

私が新卒で社会人になった時は、業務時間が始まった途端に所内の電話がかかってきて別部署に呼び出され、それにかかりっきりになって自分の仕事をするのが業務時間が終わって他の部署の人が帰ってから。当然深夜まで業務が終わらずに睡眠時間を削るなんてことをしていました。今考えると本当にどうでもいいことで時間を使っていた気がしますが(^_^;)、良い仕事はできていなかったなぁと思います。(自分が仕事できなかったのが悪かったのですが)没頭できない、コントロールできないの典型だったと思いますし、幸福感どころか記憶自体あまりありません(笑)。

 

生徒の勉強でも同じことが言えるのではないかなと思います。確かに成長するには適度な負荷が必要ですし、勉強のペースメーカーもあったほうがいいと思います。ですが全部「やらされている」子は成績がほとんど伸びません。やはり自分の裁量が少しはあったほうが、自分でコントロールできている感覚が持てますし集中し没頭状態にもなれる場合が多いと思います。

 

「勉強しなさい」という言葉はやる気を削ぐというのもこれで説明できます。やらされていることってつまらないんですよね。どこかで聞いたのですが、子供に勉強させるには、子供には「勉強は絶対にするな」と伝え、親が隠しながら「楽しく」勉強していれば、子供もそれを察知してやりたがるという話がありました。親が勉強を楽しんでいる姿を子供に見せれば、「それ楽しいの?」と興味がわきますよね。そして自分から始めればそれは自分の「コントロール下」に入り幸福感も得られます。いつか勉強に没頭し、熱狂する日も来るでしょう。

 

もくせい塾では宿題をほとんど出しません。その代わりに自習に来て下さい、チェックテストをするよ、ということになっています。実際に以前調査しましたが、宿題を出した場合の生徒の定期テストの結果の平均が、出していない場合よりも低くなりました。「提出」を目的にしちゃう子が多く、それに時間を取られてしまい成績を上げる勉強ができなかったようです。それでやらされ課題に意味がないという結論に達しました。

 

もちろん宿題をたくさん出す塾は「よく面倒を見てくれている」という風に映るでしょうし、保護者の方の安心を得やすいとは思うのですけれど、私は生徒の実利を得たいと思っています。ですから勉強において「自己プロデュース」のできる生徒になるように支援したいと思っています。たくさんの宿題を受け身でやり続けるより、「次のテストで成績を上げるには?」と考えられる生徒のほうが将来活躍できるのではないか、そう思っています。