何を支払っているのか

今もくせい塾にはタブレットがいくつか置いてあり生徒の勉強の補助や、仕事に欠かせないものになっています。また、私が個人で所有しているスマホやタブレットではyoutubeやNetflixなどで動画を見たり、音楽を聴いたり本を読んだり娯楽にも使用します。本当に便利な世の中になりました。

 

ところで、スマホを利用している体感時間と実際の時間には3倍くらいの差があるらしいです。「1時間くらいかな」と思っていても、実際には3時間くらい使っている場合もあるとか。仕事など意識的に使われるのではなく、ただなんとなく、漫然とSNSのチェックなどに使われると体感時間とのずれが大きくなりそうですよね。それが毎日続くと週に21時間。10年で10000時間くらいになります。

 

10000時間といって思い浮かぶのが、有名なマルコム・グラッドウェルの「一万時間の法則」です。スポーツ選手など、何かの分野で10000時間くらい継続的に取り組めば、その道のエキスパートになれるというアレです。例えば小学校高学年くらいでスマホを子供に与えた場合、その時間スポーツや学問などに打ち込んだ子が20歳くらいでその道のエキスパートになっているのに対し、スマホに1日3時間「取られ」続けた子は。

 

ビジネスの世界では今、顧客の持つ「お金」ではなく「時間」の奪い合いになっているそうです。顧客を自分のサービスに繋ぎとめておく時間を伸ばすことができれば、そこから利益を上げることができると。たしかマクドナルドの「ハッピーセット」の戦略は、子供向け商品で子供の頃からマクドナルドの味を教えて継続的な顧客を生み出すことでしたが、それがスマホの画面から広がるネットビジネスの世界でも起きています。子供たちは自分が何者かになる為の「時間」という財産を、スマホにどんどん吸われています。そう考えると、とても怖い気がします。便利な面と怖い面、両方を理解して付き合っていきたいものです。