自学者モドキを退治せよ

漢字や英単語を「暗記する」のと「書く」。似ているようで全く異なります。

 

数学の問題を「解けるようにする」のと「解く」のも似ていますが、これまた全く異なります。

 

理科や社会の教科書を「読む」のと「字面を追う」のは、姿勢は近しいものがありますが、やはりこれも全く異なります。

 

前者は「勉強」で、後者は「作業」です。勉強は成績に結び付きますが、作業は成績に結びつきません。勉強をやっている子は「自学者」ですが、作業をやっているのは「自学者モドキ」です。昆虫などでいますよね、「カマキリ」とよく似た「カマキリモドキ」のようなヤツ。見た目的にはよく似ていて一見見分けがつきませんが、私ほど目の肥えた人間だとすぐに見分けが付きます(^^)/ 自学者モドキだなと思う子をひとり、目の前に連れてきて、「じゃあこの問題解いてみ?」で一発御用です。

 

子供たちも本当は分かっているはずです。「これじゃあ成績上がらないだろうな。」と。じゃあなぜ「自学者モドキ」が発生してしまうのか。それは、楽なほうに逃げてしまっているからです。例えば単語の暗記であっても、暗記しようと思ってやると苦痛が伴いますが、ただ書くだけならば頭を使わないので楽なんです。そして時間を使ってノートを埋めれば、やった気にだけはなれます。他にもあるモドキの生態もほとんど全て「楽である」ことに紐づいています。そしてなんとなく、自学者のみなさんと同じ雰囲気も出せます。でも決定的に違うのは、自分の成長につながっていないことです。羽の形が違います。

 

読んで書いて覚えて解いて。その中のどこかで楽な道を見つけてしまって、そちらを通っても「誰にも何も言われないぞ。」と気づいてしまったときに、自学者モドキは羽化します。そうなってしまうと元の自学者に戻るのは大変です。自分が楽していたことを認めるのは楽ではありませんからね。ですが、その羽では遠くに飛んでいくことなんてできません。今日自習に来なかった君、富士中の中間テストまで残り11日です。