苦手なもの「だけ」やりまくる

問題集を買ったら、1~10まで解き切ることが大切です。問題集はやり切った時にはじめて全ての栄養分を吸収し、力が伸びると思うからです。

 

しかし、いくつかの問題集の中から問題を選んで、そこだけを生徒に解かせることもあります。

問題集は「整っている」


はじめは、「なんで問題集って分野別に割かれているページ数が同じなんだろう」と思いました。

 

特に小学生・中学生向けのものですが、計算分野だろうと図形分野だろうと、見開き2ページなら2ページごとに各学習分野が収まっています。

 

もちろん「紙面の都合上」というのは分かります。どの教材会社さんもその上で、涙ぐましい努力をなさっているのが内容を見ていると伝わってきます。(紙面に書かれた補足説明の文章の簡潔さといったら!)

 

ただ、「生徒の学力を伸ばす」為にはバランスをもっと崩した配置にしてもいいんじゃないかなぁと思いました。

繰り返す回数が同じになっていたほうが便利

生徒が新しい知識や技術を身に付けるには、「繰り返す」ことが必要不可欠です。綺麗なフォームでラケットを振ったり、同じ作業をできるようにするには繰り返して正しい型を身に付けます。勉強も全く同じで、反復回数が習熟度と比例するので、できるようになるには「繰り返す」。

 

そうすると、繰り返す回数が同じになっていたほうが便利な気がします。計算も図形問題も、個人差はあると思いますが、7回繰り返して身につくのなら全部7回繰り返せるようになっていると楽なのになぁと思いました。しかし、多くの問題集で計算問題はたくさん載っているのに図形問題のページになると問題数が減ります。図を載せる分掲載できる数が減ってしまうんですね。

 

こうなると、図形問題の学習に入ったときに問題集の反復回数を増やすことで対応していかねばならないはずですが、そのことに自分で気付けない生徒がいるような気がします。なまじ計算問題のほうが先に学習する分、「このくらいで大丈夫なのね」と高を括って勉強量を増やせない生徒もいるかも知れません。こうして生まれるのが、「計算はできるけど図形や関数、特に資料の活用は苦手」というような生徒なんじゃないかなと思いました。もちろん計算よりも高度なことをするのは分かっていますが、純粋に演習量が足りていないなという子も結構います。時間ではなく、問題演習の数をもっと意識したほうがいいのに。

そこで、「一本釣り作戦」の登場だ

そこで、苦手な問題があるという子に対して、「様々な問題集から同じパターンの問題を引っ張り出して解かせる」ということをさせています。様々な問題を解くのが投網法だとすると、同じパターンの問題を解くのが一本釣り法ですね。

 

そうすることで、解法のパターンが見えやすくなるのではないかと思ってやっています。問題集を横断して見て見ると、だいたい同じ問題が載っています。それを連続して解いてもらう。本当ならば数学のような科目は抽象化の能力が大切なので、いろいろな問題を解いているようでいて、「結局同じじゃん!」となることが大切なのですが、まずはつまづかないようにすることも大切です。同じことを反復し、技能として定着させるための方法です。これができるのはたくさんの問題集が日頃から置いてある塾のような場所だからこそだと思っています。

 

苦手範囲のある子に効果的なので、これからも使っていこうと思います。