家庭教師の思い出➁

明日は入学式ですね。いよいよ新年度です。


いろいろな子がいた


家庭教師の思い出話の続きです。

 

担当した生徒は、埼玉県の地元から東京都内の子まで、学年も小学生から大学受験生まで様々でした。当然学力も、オール5を取った子からその逆の子までいました。本当にいろいろな子がいたなぁと思います。

 

その中で、まずは私が家庭教師を辞めたキッカケになった話をしようと思います。

足の踏み場もない


とある家庭教師センターから紹介されたのは、小学6年生の男の子でした。その子の家に行くと、家の中がひどく散らかっていました。

 

入口から部屋までの通路、部屋の中に至るまで物が散乱し、冗談では無く床が見えている場所を見つけて歩かなくてはいけないお家でした。(お母さまがお仕事で忙しく、家を空ける時間が多くてそうなっていることが後で分かりました。)

 

初めて訪問した時に、その子が机の上に積まれているものを床にバサバサっと落として勉強スペースを作ったのが印象的でした。

まずは片付けから


ただ、私がそのセンターからの依頼を断るようになった原因はそんなことではありません。

 

初めて伺った日の帰り、家庭教師に求められているのは何かと考えました。そして次の訪問で、その子と「部屋の片づけ」をすることから始めました。

 

勝手に人様の家に手を加えるのは申し訳なかったのですが、勉強をするには、まず集中できる空間が必要でした。家に着いたら必ず15分くらい、一緒に片づけをしてから指導を行っていきました。

変化と気づき


片付けをしてから指導をしていくうちに、少しずつ変化が見られるようになりました。

 

お家に行くと、生徒が自ら机の上を片付けた状態で待っていてくれるようになったのです。これは良い兆候でした。さらに続けていくと、今度は入口から部屋までの通路が開けています。お母さまも片付けをしてくれているようになりました。

 

こうして少しずつ勉強する環境が生まれ、指導が円滑になっていきました。また、勉強にはそれに適した場所が必要なのだと、その時に改めて実感しました。