逃げずに書く

高校生たちの中間テストが行われています。今日も教室を開けるなり生徒が自習に来ています。頑張っていこう!

「書くこと」自体が難しい


記述の問題には問題を解答できるかどうか以前に、「書くこと」に対する障壁があります。

 

苦手範囲の上位に挙げられるものの中に「数学の証明問題」がありますが、生徒の答案を見ると、解く前に投げ出してしまっていることも多いです。証明は分からない・記述だから解けないと、問題に取り組まずに諦めてしまっている子の多いことと言ったら(^_^;)

 

書いてみなけりゃ分からない


数学の証明は中2の1・2学期に学びますが、それ以降に入塾した子で数学が苦手な子のほとんどがその状態です。学校のような集団授業形式では、ひとりひとりの証明の答案を添削して指導することができないので仕方のない面もありますが、基本的な問題は型にはめて答えるだけなので難しくありません。

 

ただここに、「書くこと」に対する障壁が立ちはだかります。今まで自分で文章を書くことをして来なかった生徒は、証明を「自分で考えて書くもの」と捉えてしまい、面倒くさがって避けようとします。しかし実は中学レベルの数学でそんなものは出ません。型を身に付けていればそれに当てはめて答えられるものがほとんどです。ですが、それは「実際に自分で書いてみた」経験がないと身に付かないものでもあります。

ずっと続く、「書くこと」


初めに、おそらく中2で式の証明問題を習ったときに、お手本を見て自分で書く経験をしているかどうか、これがその後の数学力の明暗を分けます。

 

初めに「証明はできない」と思い込みをしてしまうと挽回は難しく、その後中2の三角形の合同の証明はおろか、四角形の証明、そして中3で習う多項式の証明も全てできないままで入試を迎えることになります。今の入試では自分で説明させる問題が必ず出ますが、これも証明の型を身に付けていない状態で正解を出すのは難しいと思います。

 

この状態を脱するには、どこかで「書くこと」に対するアレルギーを断ち切らねばなりません。

書くことアレルギーから脱出せよ


まずは自分で手を動かすこと。勉強の全てについて言えることですが、記述の問題は自分で書く以外にできるようにはなりません。苦手意識がある場合、そのハードルは高くなってしまっていますが逃げずに取り組めば絶対にできるようにはなります。

 

証明ができないと思っている生徒は、まずは教科書に載っている証明や問題集の解答を書き写してみる。それを何題か行うと、書き方に法則性が見えてきます。その法則に従って書いてみて、先生に添削をしてもらう。それを何度かすれば、すぐに証明問題もできるようになります。そして、その時に行った抽象化が数学の本質的な力です。