塾の「辞め慣れ」

これを書くと嫌われそうですが、塾を転々としている生徒の成績は上がりにくいです。上がらないわけではありませんが、上がりにくくなっています。

飛ぶのを諦めた鳥のように


転塾を繰り返している、いわゆる「塾ジプシー」の生徒を何度か受け入れた経験があります。もちろん保護者の方からすると、子供に合った成績の上がる塾を探しての行為なのでしょうが、転塾を繰り返すと、子供はだんだんと塾の「辞め慣れ」のようなものが生まれます。

 

「どうせまた成績が上がらなかったら辞めるし」と、塾に入る時の覚悟や、頑張るぞという前向きさのようなものが無くなっていきます。入塾面談をしていても生徒の目にあまり光を感じられなかったりします。(もちろんそれだけが原因ではないのでしょうが。)

自分に変わる力があることを教われない悲しさ


そして何より、成績が上がらない原因を内省によって求めなくなっていきます。これを書くと本当に嫌われるのでしょうが。

 

以前働いていた塾には、前の塾を「3ヵ月」で辞めて来ましたという生徒もいました。塾人からすると、3ヵ月はまだ勉強を始めて効果が出るかどうかの段階です。そこで見切りをつけるは早すぎます。勉強は己と向き合い、じっくり醸成させることが求められます。

 

「次で塾3つ目」となる場合は、なぜ成績が上がらないのかをもう一度、今通っている「2つ目」の塾の講師や塾長と腹を割って話し合ったほうがいいと思います。そしてそこで本音で話ができるのならば、もう少しそこで頑張るべきだと思います。そもそも、塾なんてなくても学力は伸ばせるものなのですから。