相対的➀

前から見るとダメなものでも、横から見ると良かったりするものもあります。こういうのを相対的なものの見方というのでしょうが、私が相対的というものを知ったのは、「図鑑」からでした。

図鑑


幼少の頃、家に学研の図鑑セットが転がっていてよく見ていました。図鑑には写真がたくさん載っており、眺めているだけでも楽しいものでした。動物図鑑、魚の図鑑、星や星座の図鑑、私は昆虫に興味を持ち、昆虫図鑑が特にお気に入りでした。後々、幼稚園の時についたあだ名が「昆虫博士」になるくらいに…。

 

ただ、これだけはどうも好きになれなかったのが「エネルギー図鑑」でした。エネルギーに関する事柄が載っているのですが、幼少の私には難しかったのだと思います。

エネルギーは相対的なものだと知る


しかしある時、エネルギーの図鑑が分からないと言った私に、兄がこんなことを言いました。

 

「テーブルの上にあると考えるとエネルギーは無いけど、床からテーブルの上を見るとエネルギーがあるんだよ」

 

私はそれを聞いて、「すごい」と思いました。位置エネルギーの説明だったのですが、その「メモリをずらす」考えはそれまで私の頭には無い概念でした。衝撃を受けました。

 

これが「相対的」、見方をズラせばその評価が改まるということを知った瞬間でした。