ツツジ

Wikipediaより。ツツジは「躑躅」と書く。「躑」も「躅」も、「立ち止まる・たたずむ」という意味で、「見る人が立ち止まるほど美しい」という意味からその名が付いたそうだ。

ツツジの花が咲くころに

昨日の帰りにふと見たら、沿道の植え込みのツツジが満開だった。ツツジの花ってこの時期か。花と言えば桜やヒマワリなどに目が行きがちだけど、赤い花がブワッっと咲いていて壮観だった。

 

ツツジの思い出。私は小学生の時に友達と2人で「いろいろな植物を食べてみる」ことにハマっていた。ちょっとした度胸試しのようなものでもあったし、「どんな味がするんだろう」という知的好奇心もあった。今考えると完全にバカだ。不衛生だし、体に良くないものもあっただろうに。

 

狩猟採集民族のご先祖様の血がそうさせたのだろう。いろいろなものを口にした。タンポポの茎から出る白い汁は苦かったし、パチンコ玉くらいの謎の赤い実は渋かった。「美味い!」となるものはほとんど無かった。そりゃそうだよね、美味しいものならばもうとっくにスーパーに並んでいる。

 

そんななか、「ツツジの花の蜜」は別格だった。花を摘んで、根本の方から吸うと甘い蜜が出てくる。美味い。なんだこれは。私は春の蝶々のようにその味の虜になった。夢中で花をむしっては蜜を吸う。甘い。美味い。

 

気が付くと、植え込みの花は全て無くなっていた。沿道のひと区画全部いっていた。先ほどまで綺麗に咲き誇っていたツツジの植え込みは、一瞬にしてその満開の時期を人為的に終えた。私は蝶々なんかではなく、「サバクトビバッタ」だったのだ。私の通った後には何も残らなかった。それに気づいてはじめて「自分はなんてことをしてしまったんだ!」と思った。私は事の重大さに恐ろしくなり、その場から走って逃げた。

 

後で知ったことだが、ツツジの花の蜜にはグラヤノトキシンとう毒が含まれている。症状は嘔吐、痙攣、下痢など。児童が中毒を起こすこともあるそうだ。私は何ともなかった。それまでに食べていたいろいろな植物が体を丈夫にしていたのかも知れない。が、ツツジの蜜がスーパーに並ばない理由は分かった。

 

結局その後何事もなく過ごしてきたが、その時の懺悔の気持ちだけは残った。毎年ツツジを見ると、今でもその気持ちが心に刺さったトゲのようにチクリとする。ツツジの毒は私にもちゃんと効いている。