あの日は

被災された方にはお見舞い申し上げます。

 

元日は福島県の山中にいた。せっかくの休みだからと外出した帰りだった。大晦日の夕方になり、気温が下がってきて車の窓が曇って来た。少し疲れもあったので、休めるところで1泊してから帰ろうと思った。

 

明日はもうちょっと足を伸ばして、日本海側を走りながら関東に戻ろう。ここからなら休み明けまでに下道で新潟市に一旦出て、金沢まで行けるかななんてお気楽に考えていた。

 

翌日朝、外に出ると辺りは雪で真っ白だった。数日前に冬用タイヤに交換としたとは言え、雪の山道を走るのは危険だ。仕方ない、諦めてまっすぐ帰ろう。緊急地震速報が出たのはそう思って走っている最中だった。カーナビの画面が突然切り替わり、アナウンサーの避難を呼びかける音声が流れた。

 

後に家屋が倒れ、道路がひび割れている映像などをたくさん見た。今も自宅に戻れずに不安な夜を過ごされている方も多くいらっしゃるだろう。あの時と同じ、当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかったことにまた気付かされる。

 

辛い思いをしている人のことを想像し、今の自分の持っている当たり前に感謝しながらそれを続けていくしかない。