学習性無気力の話➂

続きです。

 

今の取り組み


しかし、自分の塾を立ち上げてから別のアプローチ法も見つかった。

 

勉強における学習性無気力を改善するには、やはり勉強するしかないのだ。その方法はいたってシンプルであった。できるところから、できるようにやる、これだけ。

 

学年ごとに学習内容が変わる横割りのカリキュラムでは、このような子が生まれやすい。だからそれを取っ払って、できるところまで戻ってリスタートを切る。そしてできることを実感してもらう。どんなことでもできるようになるのは楽しいものだ。学校の進度はひとまずおいておきその達成感を味わうことから始める。なんだ、生徒指導の基本じゃないか。

 

先日保護者様から嬉しいお言葉をいただいた。

 

「子供が大きく変わった」。

 

学校の授業についていけずそれまで学校で「態度が悪い」とされていたが、授業でノートを取るようになっているそうだ。もちろん学校の先生や周りのお友達の影響が大きいとは思う。だが通塾がその変化のキッカケの一つになっていたら嬉しい。

 

他にももくせい塾では、前学年や前々学年の内容に戻って塾の学習をスタートした子が結構いる。そのいずれもが、ある程度の成果を出している。学校の授業についていけなかった子がテストで平均点を超えてきたり、家や学校での態度の変化の報告を受けると、素直に「やって良かったな」と思う。あのときの何もしてあげられなかったあの子のことは忘れていないけれど、それが今の試行錯誤の原動力になっていると思う。