ワイヤレスイヤホンが燃えた日

はじめは、

 

「なんだか香辛料の匂いがするな」

 

 

というものでした。

ワイヤレスイヤホンの充電ドックを開け、イヤホンを取りだそうとしたときの感想です。「やだ。食事中に何かソースとか垂らしちゃったかな」なんて思ってました。

 

2ヵ月前に買ったワイヤレスイヤホンは2台目。とても気に入って同じ機種をリピート購入しました。1台目は買って2週間ほどで不運にもドックを紛失しました。

 

コンパクトで装着しても重さを感じず、充電がとても速い、低音もよく出てる。値段もさすがは中国製、2千円もしませんでした。それに比べ、それまで使っていたソニー製は3万円近くしたのにデカくゴツくて、装着するとシルエットがまるでキングジョーです。

 

キングジョー。

 まさかソニー製品から中国製のものに乗り換える日が来るなんて、自分でも思っていませんでした。以前も中国製品のアルコールディスペンサーで痛い目を見てるのに。でもそれほどに感動する性能でした。人に薦めたいくらい。

 

そんなこんなで使っていたイヤホンですが、急に雲行きが怪しくなりました。

 

ん?なんか変なにおいがする。

 

 

はじめこそスパイシーなにおいだなと、シルクロードをはるばる旅して届くインドの風を感じていたのですが、いや違う。なんか焦げ臭い。

 

見ると、ドックの残りバッテリー表示がものすごい速さで減っています。今までは1回の充電で2週間は使えたのに、まるで年末のカウントダウンのような減り方です。そして触ってみるとものすごく熱くなってる。充電した電気がみるみる熱エネルギーへと変換されています。みんな見て!これがエネルギー保存の法則だよ!

 

 

2分ほどでバッテリー残量は0%になり、それからうんともすんとも言わなくなりました。イヤホンをドックに戻しても充電もしてくれません。これが世にいうツンデレってやつですかね。

 

2ヵ月かあ。1台目は買ってすぐに失くしたからわからなかったんだなあ。その昔、「ソニータイマー」なる笑い話がありました。ソニー製品は買って2年で壊れるというやつです。その真偽は定かではありませんが、技術革新は日進月歩で速くなり、ついに2週間で壊れる製品も発売される時代になりました。中国製品の短距離スプリンターっぷりには目を見張るものがあります。

 

 

とりあえず目を離している隙に発火したりしなくて良かった。そう思って、引き出しの中にしまってあったソニーのワイヤレスイヤホンをそっと取り出しました。よろしくな!相棒

 

(しょうもない話ですみません)