これは差別?区別?

かつて「学校の先生が差別する」という話を2年に1度くらいは聞いていた。今は学校もかなり気を使っている部分だと思うので減った気がする。

差別と区別の違いを知りたい


実を言うと、容姿や成績に関するようなあからさまなものを除いて、「差別」と「区別」の違いがあまり分かっていない。塾で言うと「能力別クラス」での指導内容の差は差別にならないのかとか、教室にいつもいる講師と週に1日しか来ない講師の生徒対応で差は生まれていないかとか。問題になっていないだけで区別とは呼べないことも結構ありそうだ。不公平と言えば不公平なので。

 

そればかりかかなり「グレー」なことをやってきた気がする。以前働いていた塾では、自分に質問に来た子には時間をかなり割いて指導していたし、なんとなく私に話しかけられるの嫌そうだなと感じる子はそっとしておいた。講師たちも同様で、自分の担当する生徒は積極的に自習に誘い、来たらつきっきりで指導していた。塾の提供するサービスの「プラスアルファ」の部分だったので問題にはならなかった(たぶん)。

 

今は一人で講師をしているので、「この子だけを」というようなことはもちろんできない。しかし、生徒ごとに指導の仕方は異なっている。指導時間中に講義を多めに行う生徒もいれば、演習の解説を多めにする子もいる。予習を進めさせる子もいれば復習に時間を割く子もいる。同じ内容を教える時も、ノートに書く・一緒に解くなど、生徒ごとにその教え方は変えている。それは、状況が同じ生徒はひとりとしておらず、同じ指導をしていると「しっくりこない」からだ。説明を多く聞きたい子もいれば、問題をどんどん解きたい子もいる気がする。そしてやる気の感じる子にはどんどん報いていきたい。

 

「最適はなんだ?」と試行錯誤するうちに、究極の「差別塾」が生まれてしまったのかも知れない。