生徒のペースに合わせない

「自分のペース」というのは先取りしかあり得ない。

ペースメーカーは講師側でなくてはいけない


「自分のペースで」というのは、一見すると良さそうに聞こえる。

 

「ウチの子合わせてくれるなんて安心だわ」

 

と親御さんも喜んでくれる。しかしこれは気を付けないと、共倒れになりかねない危険な言葉だ。

 

学校の勉強はあくまでも学校のペースで行われる。だからペースが遅れる子が出てくる。そのペースに再び乗ることが補習型の塾には求められるのだと思うが、その塾が「生徒のペース」に合わせていてはそれに乗ることができない。本末転倒だ。本来「生徒自身のペースで」勉強するとは、学校に先行する予習型しかあり得ないのだ。

 

だから、生徒が学校よりも先行して勉強できる場合はいくらでもそれに合わせてあげればいいが、遅れ気味の子の場合は本人のペースで勉強を続けても遅れていくばかりだ。

 

勉強が苦手になっちゃった子の保護者の方は、面談で「まずは学校の平均点を取らせたい」とおっしゃることが多い。その為には学校の平均の子の勉強のペースを超えなくてはならず、その子のペースに合わせているわけにはいかないのだ。

 

「君にはペースを上げて勉強してもらう。はじめは大変かも知れないけれど、そうできるようサポートはする。一緒に頑張っていこう。」

 

そういう意味を込めて、勉強が遅れている子には

 

「塾のペースに合わせてもらう。君のペースには合わせない」

 

と言わなくてはならない。ただこれだとすごく不親切に聞こえるので、塾を探している保護者からは避けられちゃいそうだけど。その心意気が伝われば、この塾は本気だと思ってもらえると思うのだが。