たくさん本を読むことの意義って

現代文は、解くためのテクニックがいろいろ開発されてきた。私が高校生の頃はこんなにシステマチックじゃなかったのだよ。だからある意味国語指導はやりやすくなったのだろうけれど、それでも生徒がその文章の内容を「知っている」かどうかというのは読解にとって依然として大きい。

 

高校生に現代文を教えていても、その子によって得意不得意がある。よくある不得意は、評論文では「死生観」や「宗教」に関するもの、小説でも少し大人の人間関係や時代設定が古いもの、また逆に今の若い女の子の人間関係ものは男子にとって鬼門だったりする。

 

どんなに語彙力を鍛え、指示語や接続語に気を付けて文構造を把握しても、そこに書かれている「涙」の理由が理解できないなんてこともある。ある小説家が言った、

 

「小説は、他の人の人生を追体験する」

 

というのはどうやら本当らしい。人生経験が出ちゃうんだろうね。人生経験は想像力を養う。想像力に勝る読解力は今のところ見つかっていない。