退塾について思うこと

保護者面談をした後すぐに、退塾をした生徒がいた。

 

面談で退塾勧告をしたわけでも、退塾に向かう話をしたというわけでも無い。むしろ「これから」について熱く話したつもりだった。

 

おそらく家に帰って、家庭内で親子バトルが発生した結果なのだろうと思う。私は生徒の現状を伝えるときに「むき出し」のまま伝える。何も隠さない。親御さんに第3者の目から見た子供の現状を知ってもらうのが面談の意義だと思っているからだ。

 

だから、かなり「辛い」ことを言うこともある。この時もそうだった。おそらくそれで、保護者の方がアクションを起こしたのじゃないだろうか。「言ってもやらない」「やる気がない」という言葉を面談中に何度も聞いていた。それで今まで半ば諦めていたのを、この面談を機に頑張られたのかな、と。

 

結果としては、生徒が塾を去ってしまったのだから残念ではある。その子のために考えていた指導計画も無駄になった。売上減は塾の経営者としても失敗だ。しかし、子供の学力は親が作るものである。そのためのアクションが保護者から起きたのならばそれはいいことだ。いや、そんなに器の大きいことは言えないな。正直に言うと、こう思って溜飲を下げるしかない。

 

ただし、ここで塾を辞めたことは「子供の思うつぼ」になっている。勉強のやる気のない子にとっては「塾に行かなくていいからラッキー」なわけだ。だから他の塾に通わせるにしても勉強の約束をきちんと決め、それを絶対に遂行してほしいなと思う。子供の学力は親の意志の強さで決まる。

 

「じゃあもう塾にいかなくていいわよ!勉強は自分でしなさい!」

 

なんて匙を投げることになっていなければいいなと思う。こうなっても結局受験近くなってたらまた塾に通わせることになるんだよね。これだと勉強をできるだけ先延ばしにした子供の「勝ち」になってしまい、ちゃんと学力を改善しようとしていた私が浮かばれない。「長い目で取り組んでいきましょう」と言った覚悟を無下にしないでほしい。