「待つ」ための先取り学習

もくせい塾では「先取り学習」をしている子の割合が高い。現状の学年よりも先の学習内容を進めている中学生がほとんどで、中学英語をやっている小学生などもいる。

 

「先取り学習」と聞くと、なんか難しいことをやっていて、きたるべき受験に向けてガチガチに型にはめていると思われるかも知れない。でも実際はそんな感じではなくて、単に生徒の学習ペースに合わせて指導しているだけ。そうすると、自然と学校の先取りになっていくのだ。

 

もちろん学校の進度には間に合っていないと、テストで良い点を取るのが難しくなるので、ちょっとだけ先取りするように誘導はする。しかし、あくまで生徒の理解が優先される。カリキュラムを進めるために無理な速度は出さない。生徒が付いて来られなけりゃ意味がないからね。

 

生徒に先取りをさせるときに私が心掛けたいと思っているのは、

 

「知識よりも『経験』を先取りさせること」

 

だ。学校で習っている所よりも先を勉強することで、文法や公式を早く知ってもらいたいわけではない。そんなものは後からでもどうにでもなる。そうではなく、失敗を含めて早く経験することで自分の試行錯誤の時間を増やしていってもらいたいと思っている。今日習って明日テストだと練り上げる時間が取れない。時間に余裕があれば、別の解き方を試したり、教科書や参考書を紐解く時間だって生まれる。たくさん間違える時間も取れる。そういう時間がたくさんあるほうが、知識が分厚くなり自分の経験にしていきやすくなる。

 

だから先取り学習は推奨しているけれどルールではない。生徒の力に応じて速度が変わり、何度だって戻ってやり直す。あえて1回目には教えない知識もある。そんな先取り学習。「機が熟す」のを待つための先取り学習を目指している。