イヤホンを無くした話

「2つで1セット」のものは、片方が無くなる運命なのだろうと思う。手袋、靴下、お笑いコンビ、そしてイヤホン。

 

「イヤホン」が必需品になりつつある。動画編集をするときに外に音が漏れないように気を付けたり、もちろん音楽やaudibleで本の朗読を聞くのにも使う。1日4時間くらいはイヤホンを装着していると思う。

 

しかしこのイヤホンというやつは、どうにも脱走癖があるようだ。今使っているのはこの仕事を始めて4台目。故障したものもあるけれど、3代目の「片方が無くなって」、今回第4代 が襲名することになった。

 

3代目の引退は早かった。出先から戻って来たらケースの中に「ミギー」がいない。襲名披露3ヵ月目のことだった。脈々と続く一座当主の重圧に耐えられなかったのかも知れない。彼はかなり優秀なヤツだったので、4代目は同機種を選んだ。きっと次は大丈夫。

 

そして昨日のこと。イヤホンをしたままお手洗いに行き、水を流した瞬間に片耳のイヤホンがポロリと外れた。「ダリ」だった。

 

「あっ!」と思う間も与えず、流れる水の渦の中に消えていった。まるでファンタジーRPGのワープポータルだ。私のダリは異世界へと消えた。なんとも鮮やかな脱走劇。アルカトラズの看守でさえ指を加えてみる他ないだろう。

 

しばらく茫然自失としていたが仕方がない。第5代当主を擁立するしかない。今やイヤホンは仕事道具のひとつ、悩んでいる時間が無い。そこで私はApple storeを見てみる。Air pods。Apple製品を使用している身としてはいつかは手に入れたいと思っていた。これはついに購入か。

 

Air pods第2世代 値段、39,800円。

 

私の4代目を10台買ってまだおつりがくる。1台の脱走までの使用期間が半年と考えて...5年分か。「無くすこと」前提に考えているのがもう情けないのだが、これはさすがにトイレワープさせるわけにはいかない。もし同じ状況が起こったら救助のため躊躇なく手を便器の中に突っ込むだろう(汚くてすみません)。

 

そんなわけで悩んでいる。今日は3代目の「ダリ」と一緒に教室に来た。

 

ちなみに「もしかして...」と思い、同機種である3代目の左と4代目の右を同時に装着してみたけれど、音は左からしかならなかった。そのあたりはさすがメイドインジャパン。優秀過ぎて逆恨みしそうだ。