勉強はドミノを並べるかのように

生徒を指導している時、昔テレビで見た「ドミノ倒し」の光景が頭をよぎることがある。

 

最近はすっかり見なくなったけれど、ドミノ倒しをするテレビ番組があった。今の子は知ってるのかな、倒れた時に綺麗な絵柄が出てきたり、途中で面白いギミックがあったりする。参加者が協力したり競い合ったりしながら時間内でドミノを並べていく。

 

その時にお約束なのが、途中で並べる手元がブレて、途中でドミノが倒れていってしまうシーンだ。せっかく並べたたくさんのドミノがバタバタと倒れていき、はじめからやり直さなくてはいけなくなる。制限時間があるときなどは、焦りも出てきて緊張感が一段と高まる。

 

勉強もちょっと似ているところがあって、丁寧に順番に並べていかないとバタバタと倒れてしまう。焦る気持ちがあっても、前のドミノが倒れた時に次にぶつかってくれないと先に進まない。途中だけ並べて「できました!」とはいかない。スタートからゴールまできちんと学習内容が連なっていないと綺麗な絵柄は出てこないのだ。

 

付け焼刃的にテストの内容だけを身に付けようとしても最終的には何も残らないし、それどころかその内容ですらちゃんと身に付くかは怪しい。生徒の「分かりません」は、その分からない部分よりも以前のところに問題があったりすることがほとんどだ。

 

だから指導していてこのドミノ倒しの光景がよぎったら、一旦焦る気持ちを落ち着けて、「手元がブレないように慎重に」と心の中で唱えて以前の内容に戻るようにしている。長い目で見たら、きっとそのほうがうまくいく。