学校の授業だけでは得られないもの

初めて塾通いをする生徒を見ていて感じるのは、"速度が遅い"ということだ。

問題の処理速度もそうだし、物事に取り掛かるまでの速度、次の行動に移るまでの速度、塾に来て準備するまでの速度や片付けをして退室するまでの速度も遅い。もちろん全てに当てはまるわけではないが、塾にある程度通っていて効果的な指導を受けてきた子に比べるとそこに差が出てくるように思われる。学校の指導はできるだけ落ちこぼれを作らないために"遅い子"に合わせようとするので、「急ぐ習慣」が身についていないのだろう。どんなに学力の高い子でもそうだ。

全て急いで行うのが良いと言うわけではない。それでミスが頻発してしまうならば"自分の適性速度"に一旦スピードを緩めるべきだし、そのように指導することもある。だが勉強において「スピードは武器」であることは言うまでもない。問題を10秒早く解けたらその分他の問題に考える時間を回すことができるし、塾に5分早く来ることを10回続ければ学校の授業1回分他の人よりも多く勉強できることになる。スピードは武器なのだ。

塾通いをしなくても受験はできるし学歴は積むことができる。しかし塾での勉強を主戦場にしている子とそうでない子の間には、圧倒的な"時間への価値観"の差が生まれてくる。

防犯意識

弊塾の入り口はいわゆる普通のドアタイプで、つまみを回すタイプの鍵が付いている。先日そのドアの鍵がかけられていた。

きっと生徒の誰かが自宅と勘違いして、室内に入るなり癖で鍵をかけたのだろう。家庭でも帰宅するなりそのように鍵を閉めるよう躾を徹底されているのかも知れない。昔と違い今では鍵を開けっぱなしで出かけるなどできない世の中だし、どんな危険があるかも分からない。素晴らしい防犯意識だなと思った。

また、塾を自宅のような感覚で通ってくれているのだと感じ嬉しくも思った。そのようにくつろぎながら学習に取り組めるスペースでありたいと思っている。

しかし塾のドアの鍵を閉めるのはご遠慮いただきたい。次の子が入れずに困っていた。

5月

ゴールデンウィークが明けた。ここから学校もいよいよ本格始動だと思う。

 

塾のほうでもテキストの配布が終わり、生徒によってはこれから指導が予習型に切り替わっていく。

この間も中3生の第1回北辰テストが実施されたり、徐々に受験生は勉強に力を入れていく。まだ受験生の自覚の無い生徒も多いが、個人的にはいち早く抜け出すのは誰になるだろうかという毎年の楽しみもある。

 

今年は4年に1度の教科書改訂の年で、教室でも全ての教科書を新しいものと交換した。やることは多くなるが、ここはいっちょ気合を入れてやっていくかという気持ちでいる。ゴールデンウィークの休息は思いのほか活力を取り戻すことになったようだ。

 

近隣の中学校では1学期の中間テストが廃止になる傾向がある。この時期にたいして学習も進んでおらず、前学年の内容を出題することが多かったので効果測定という意味はそもそもあまりなかった。しかし生徒に学習の軛をかけるという一定の効果はあったと思う。今後は勉強を「やる子」と「やらない子」の差はますます大きくなっていくのだろう。