アルバイトを「クビ」にした話➂

舐めた態度が怒らせた!?


研修中フレンドリーに接し過ぎたのがいけなかったのか、その学生はそこでちょっと「舐めて」しまったのだと思う。その学生はアルバイトは初めてだった。

 

私が指導のことで話すポイントを鼻で笑ったり、研修内容に反論してきたりもした。模擬授業の演技指導では「えー」と言ったり。

 

付け加えるが、研修は終始和やかなムードだった。おそらくほぼ全ての個別指導塾ではそうだろうが、講師は生徒と「仲良く」することを求められる。指導の時に距離が近いほうが、生徒の成績が伸び「やすい」と考えられているのだ。今の私はそれに対しては少し疑問がある。距離が近すぎて生徒が講師に「依存」してしまう、講師もそれが嬉しくて生徒を依存させようとする、共依存の場面をたくさん見ててきた。ただしその時の私は規定通り、生徒にフレンドリーに接するように講師に研修をし、自分もその技術を講師に対して使っていた。おそらくその匙加減に失敗したのだろう、その学生講師は私に、生徒が先生にするように甘えてきたのだ。

 

私はその講師を「自信家なコントローラータイプ」と見ていたので、多少舐めてかかられようがにならなかった。これは別に私がおおらかなわけではなく(私の堪忍袋に導火線は無い)、「講師の仕事を始めればいろいろ分かる」と思っていたからだ。はじめにどんなに自信があっても、上手くいかないことが絶対にでてくるのが塾講師だ。鼻っ柱を折られてからが本当の勝負だと思っていた。

 

「ちょっとプライドが高いカンジ、面白いじゃん」くらいに思ってやっていた。だが、それを私の上司が見ていた。