両立は大変

他の習い事や忙しい部活動等であまり勉強の時間が取れない生徒について。

塾行ったら大変になるよ?

そういう子が見学に来るとき、自力で学校に追いつけなくなったから塾通いを考えていると話される保護者様が多い。しかし、そういう子が学校の成績を上げるには塾通いが逆効果になる場合もあると思っている。なぜなら、今までその子が勉強に充てていたわずかな時間を塾通いの時間にしてしまうことで、「自分で伸びる時間」を奪うことになってしまうからだ。

 

勉強は「自分でやった時」に身に付き力になる。それに充てていた時間を、塾の講義の時間に変えてしまうことで自分で自分を伸ばしていく時間がなくなってしまうことになるのではないか。これでは逆効果になってしまうだろう。下がってきた成績を食い止め、上昇に転じるためには学習量を増やすしかない。

 

「もっと効率良く勉強させれば現状のままでもウチの子だって」

 

とおっしゃる保護者様は意外と多い。が、やり方が本当に間違っていて、それゆえ劇的な改善をするといった勉強をしている子ってそんなに多くはないのよ。勉強の仕方の良し悪しは人生経験の部分だから、他の習い事で十分積んでいるはずだ。勉強もスポーツも上達するためにすることは基本同じはずだ。

 

言い切ってしまうが、今まで見てきた限り、やっている量のほうに問題があることのほうがずっと多い。よって上記のようにおっしゃる保護者様のお探しである、「もっと良い勉強法」というのはおそらく見つからない。

 

したがって、こういう事情を抱えた生徒であっても、

 

「お子様に合わせて指導していきます」

 

と言う塾よりも

 

「無理してでも勉強時間を増やしてください」

 

という塾のほうが良心的ではないだろうか。甘言で入塾を促し、そこで生徒のわずかな時間を食いつぶしてぷすぷすと燻ぶらせてしまうよりもずっといいと思うのだ。

 

そう言ってくる塾に通うことが物理的に不可能ならば、家庭教師でも雇って、例えば朝早くとか夜遅くとか、塾ではできないが本人が遊ばせている時間帯を勉強に充てるようにすれば良いのだ(私も夜中の1時まで家庭教師をしていたことがある)。本人が今、勉強に充てている時間プラスアルファ。それを提供できる場所を探すべきだと思う。

 

今、もくせい塾には多くの「忙しい習い事」を抱えた子たちが通っている。その中で成績が上がっているのは、やはり「勉強時間を増やした子」なんだよね。なんだかんだ言ったって、勉強する時間は捻出できたとも言えるが、そういう子は塾通いをする前よりも確実に努力している。新しい習い事をするということは、今まで以上に大変になるということだ。その覚悟があれば、どこだって成績は上げていけるし、なんなら塾なんか通わなくたっていいと思っている。

 

塾は「楽に成績を伸ばす所」では決してない。