止まらないで

授業の演習中に止まってはいけない。これがウチの塾の暗黙の了解だ。

 

生徒の学力はいつ伸びる?と問われれば、「自分で伸ばしている時」と答える。授業を聞いたときでも、内容を理解したときでもない。それを「自分のモノ」にするために書いて覚えたり問題を解いたりした時だ。

 

だからもくせい塾の授業は演習中心である。その時間に立ち止まるのは、自分を伸ばす作業をしていないことになる。だからそういう場合は立ち止まらないよう促す。

 

これは、手を止めて考えている時を指すのではない。考えている時は頭を動かしているのでOKだ。目の前の作業から目を離し、シャーペンを分解し出したりする子に対して行う。私は全員を見ることができる位置にいるのでよく分かる。頭を働かせることを怠っていたらすぐに言う。そういう意味ではサボれない塾だ。

 

こういう子はだいたい、分からない問題にぶつかると意識が逸れる傾向がある。だからその時の対処法も指導している。

 

「分からなければ持っておいで」

 

「分からなければテキスト使って調べていいよ」

 

もくせい塾では、授業中に立ち歩きが多い。生徒たちは自ら辞書や参考書を取りに行くのだ。それをせず、かといって質問もせず、ただ声を掛けてもらうのを待っている子には、「止まるな」という声がかかる。そういう意味では厳しい塾だ。

 

でも勉強って、「自分で取りに行った」ときに身に付くものなんだよね。やりかたは全部教える。でも私が代わりにやってあげることはない。