やらないことを責めるのは、やらせないことにつながる

子供が親の言うことを聞かなくなったらいよいよヤバいと思ったほうがいい。

 

いわゆる反抗期ならばまだいい。それは誰にでも訪れるし、いつか過ぎるものだから。まだ、「今は自分の足で歩いてみたいんだろうな」で済むかも知れない。

 

しかし、何を言われても反抗もせず、でも言った通りにやるわけでもないという状態は本当にマズい。「学習性無気力」の状態だろう。

 

微弱な電流を流した柵に犬を入れておくとはじめは外に出ようとするが、電流を浴び続けるうちに外に出るのを「諦め」てしまい、電流を流さなくなったのが分かってももう外に出ようとしなくなるらしい。これと似た状態になっているのではないだろうか。何をしても罰を与えられると思ってしまうと、努力しても無駄だと「学んで」しまう。

 

過去に何人か見たことがある。「どうせやっても無駄だから」という姿勢の子。「やったところでどうせ怒られるし」と、言葉にできる子はまだいいほうで、中には従順に従うのだが全く続かない。目を離すとすぐに止まってしまう子もいた。続けるだけのエネルギーが無くなってしまっていたのだ。そういう子の目は虚ろで、見ていて痛々しいほどだった。

 

「なんでやらないの?」

 

と子供に言うのは簡単だ。大人は正解を持っているからね。でもそうやって追い詰め過ぎると、ある日子供は「折れる」。諦めてしまうのだ。子供は大人の正論には絶対に勝てない。それをかざし続けると、子供の目は檻の中の犬のようになっていく。